DOCSIS3.1概要

さて、今年のSCTEで発表されたDOCSIS3.1規格について、あちこちで話題になりつつあるようですので、備忘録として概要を載せておきます。


DOCSIS3.1機能概要
2012年12月15日現在で、DOCSIS3.1としての規格化が提唱されている機能のうち、大きなものは以下の3つです。

1. OFDM/OFDMAと4096QAM
1波あたり12.5KHzの波を複数波立てて、上り下りの1波あたりの変調方式を最大4096QAM(12bits/Symbol)まで拡張しようというのが最大の特徴です。
6MHzあたり480のOFDM波ということなので、6MHz換算では約60Mbpsぐらいのスループットになる見込みです。
で、最終的には最大スループット約10Gbpsを目指すとのこと。
しかし、高い周波数帯では信号レベルが落ちてSNRを確保できなくなる可能性が高いので、低い周波数では高い変調方式を用い、周波数が高くなるに従って変調方式を落としていくという運用方法になるのではないでしょうか。
上りについても下りと同じ1波あたり12.5KHzの帯域幅で、最終的には2.5Gbpsまで可能にしたいとのことですが、使用する帯域が5〜400MHzとなっているので、かなり限られた使い方になるような気が・・・。
なお、5〜55で6チャネル分立てることができれば、250Mbpsの上りスループットになります。

2. DOCSIS3.0/2.0との下位互換性
発表された資料では、DOCSIS1.1/1.0については触れられていませんでしたが、DOCSIS3.0がBackward Compatibilityを持っており、DOCSIS3.1も同じ形式になる模様です。

3. 上り帯域の拡張
DOCSIS3.1では上りの使用帯域を5〜400MHzまで拡張するとのこと。
日本では実現可能性は低いのですが、棟内で完結した環境であれば、アリかも知れません。


スケジュール
現在のところ、まだ正式な規格化は終わっていないようで、各メーカーともDOCSIS3.1機能の実装は2014年〜2015年頃を見込んでいるようです。
いずれにせよOFDMをサポートしているチップがなければCMTSもCMも作れないので、チップベンダーの開発待ちというとことでしょうか。
北米MSOとしては、新しい通信方式を採用することでBroadcom/Intelで寡占状態となっている状態を打破したいという思いもあるようですが、はてさて。