Local 5G基地局数とその内訳
お恥ずかしながら、明日から始まるケーブル技術ショーのセミナーで登壇することとなりまして、資料作成のためLocal 5Gに関するデータをまとめてみました。
出典:総務省電波利用ホームページ
https://www.tele.soumu.go.jp/musen/SearchServlet?pageID=2&SelectID=5
一般業務・電気通信業務免許の申請総数:907件
4.8GHz帯:734件
4.7GHz帯:80件
4.6GHz帯:18件
28.2GHz帯:75件
実験試験局の申請総数:2,761件(試験用端末含む)
電気通信業務免許:480件(一般業務、公共業務との兼用含む)
4.8GHz帯:433件
4.7GHz帯:14件
4.6GHz帯:3件
28GHz帯:30件
一般業務免許:390件
4.8GHz帯:266件
4.7GHz帯:66件
4.6GHz帯:15件
28GHz帯:43件
公共業務免許:37件
電気通信業務免許480件の内訳
ソニーワイヤレスコミュニケーションズ:316件
CATV事業者:68件(20事業者)
国・学校・公共団体:47件(徳島県)
その他:49件
Local 5G基地局のSSB中心周波数を調べてみた
日本で展開されているLocal 5Gの基地局ではコスト低減のため、共通のソフトウェアが使われていたり、海外製のRFモジュールが使われていたりします。
そこで、各メーカーのSSB中心周波数を調べて、共通点がないかどうかチェックしてみました。
メーカー | SSB GSCN | SSB中心周波数 |
マベニア | 8768 | 4827.36MHz |
NEC | 8768 | 4827.36MHz |
ERICSSON | 8784 | 4850.40MHz |
NOKIA | 8784 | 4850.40MHz |
富士通 | 8784 | 4850.40MHz |
Huawai | 8800 | 4873.44MHz |
Apresia | 8800 | 4873.44MHz |
Foxconn | 8752 | 4804.32MHz |
ふーむ、なるほど・・・・・・。
ところで、いま話題のNuro Wireless 5Gですが、某所で測定したところSSB GSCNは8752でした。ということは、Foxconn製の基地局なんですね。
他の基地局も測定できたら追加していきます。
5G関連周波数一覧
5G関連の周波数一覧について、備忘録としてメモしておきます。
これって、表形式で書けないのかな・・・後日もっと見やすいように書き換えておきます。
書かれている順番は「ARFCN、中心周波数、帯域幅」の順番になっています。
Local 5G Sub6
屋内外
723332、4.84998GHz、帯域幅100MHz、SCS 30KHz(Case C)
屋内のみ
4.65, 4.75GHz、帯域幅100MHz、SCS 30KHz(Case C)、Raster 42/5
Local 5G ミリ波
屋内外
565000、28.24998GHz、帯域幅100MHz、SCS 120KHz(Case D)
屋内のみ(条件付きで屋外可)
28.45〜29.1GHz、帯域幅100MHz、SCS 120KHz(Case D)
地域BWA(TDD)
37900、2585MHz、20MHz
KDDI 5G Sub6
650000、3.75GHz、帯域幅100MHz、SCS 30KHz(Case C)、Raster 246/2
670000、4.05GHz、帯域幅100MHz、SCS 30KHz(Case C)
KDDI 5G ミリ波(ARFCN 2076666、2078332、2079999、2081666)
27.85, 27.95, 28.05, 28.15GHz、帯域幅100MHz x 4、SCS 240KHz(Case E)
KDDI Band1
100、2100MHz、20MHz
150、2125MHz、10MHz
KDDI Band11
4900、1490.9MHz、10MHz
KDDI Band18
5900、865MHz、10MHz
KDDI Band26
8750、865MHz、10MHz
KDDI Band28(5G NR化)
9410、778MHz、10MHz
KDDI Band42(TDD)
42892、3530.2MHz、20MHz
43090、3550MHz、20MHz
UQ Band41(TDD)
40842、2615.2MHz、20MHz
41040、2635MHz、20MHz
Docomo 5G Sub6
643333、3.65GHz、帯域幅100MHz、SCS 30KHz(Case C)、Rastet 249/5
703333、4.55GHz、帯域幅100MHz、SCS 30KHz(Case C)
Docomo 5G ミリ波(ARFCN 2069999、2071666、2073332、2074999)
27.45, 27.55, 27.65, 27.75GHz、帯域幅100MHz x 4、SCS 240KHz(Case E)
Docomo Band1
252、2135.2MHz、10MHz
348、2144.8MHz、10MHz
276、2137.6MHz、15MHz
324、2142.4MHz、15MHz(Femto Cell)
300、2140MHz、20MHz
Docomo Band3
1849、1869.9MHz、20MHz
Docomo Band19
6100、885MHz、10MHz
6075、882.5MHz、15MHz
Docomo Band21
6525、1503.4MHz、15MHz
Docomo Band28
9510、788MHz、10MHz
Docomo Band42(TDD)
42491、3490.1MHz、20MHz
42689、3509.9MHz、20MHz
Softbank 5G Sub6
663333、3.95GHz、帯域幅100MHz、SCS 30KHz(Case C)、Raster 255/1
Softbank 5G ミリ波(ARFCN 2098332、2099999、2101666、2103332)
29.15, 29.25, 29.35, 29.45GHz、帯域幅100MHz x 4、SCS 240KHz(Case E)
Softbank Band1
450、2155MHz、10MHz
475、2157.6MHz、15MHz
Softbank Band8
3750、955MHz、10MHz
Softbank Band11
4800、1480.9MHz、10MHz
Softbank Band42(TDD)
43291、3570.1MHz、20MHz
43489、3589.9MHz、20MHz
YahooMobile Band3
1649、1849.9MHz、10MHz
1674、1852.4MHz、15MHz
YahooMobile Band28
9610、798MHz、10MHz
WCP Band41(TDD)
40196、2550.6MHz、20MHz
40340、2565MHz、20MHz
Rakuten 5G Sub6
656667、3.85GHz、帯域幅100MHz、SCS 30KHz(Case C)
Rakuten 5G ミリ波(ARFCN 2063332、2064999、2066666、2068332)
27.05, 27.15, 27.25, 27.35GHz、帯域幅100MHz x 4、SCS 240KHz(Case E)
Rakuten Band3
1500、1835MHz、20MHz
Rakuten Band18
5900、865MHz、10MHz(パートナー回線)
WiFi周波数帯
2.4GHz 2401〜2495MHz
1ch : 2412MHz
2ch : 2417MHz
3ch : 2422MHz
4ch : 2427MHz
5ch : 2432MHz
6ch : 2437MHz
7ch : 2442MHz
8ch : 2447MHz
9ch : 2452MHz
10ch : 2457MH
11ch : 2462MHz
12ch : 2467MHz
13ch : 2472MHz
14ch : 2484MHz
5GHz 5150〜5725MHz
34, 38, 42, 46ch : 5150〜5250MHz(中心5200MHz、100MHz幅)
36, 40, 44 48ch : 5150〜5250MHz(中心5200MHz、100MHz幅)
52, 56, 60, 64ch : 5250〜5350MHz(中心5300MHz、100MHz幅)
100, 104, 108, 112, 116, 120, 124, 128, 132, 136, 140ch : 5470~5725MHz(中心5582.5MHz、225MHz幅)
2021年 心機一転
みなさま。
本年もよろしくお願い申し上げます。
しばらくほったらかし状態だった当ブログですが、転職を機に、CMTSやDOCSISに加えまして、5G関連の技術も適宜ご紹介していこうかと考えております。
もし、アンテナの周辺で変な格好で電波を測定している姿を見かけましたら、そっとしておいてやって下さいまし。
ではでは。
CMTSの上り信号レベル設定
なんと、2年10ヶ月ぶりの更新です。
すみませんすみません。
さて、今回はCMTSの上りレベル設定の基本についてです。
伝送路というのはCATV局ごとにポリシーも運用ノウハウも異なりますので、一概にこの方法ですべてOKとはいかないのですが、もしCMTSの運用で上りレベル設定方法に迷った場合は、この基本に立ち返って考えると、シンプルに考えられるのではないでしょうか。
「はじめに」
よくある誤解なのですが、CMTSの上り受信レベルを変更しても、加入者モデムの上りSNRを良くすることはできません。
見かけ上、SNRが良くなるように見えますが、E/O・O/E(光送受信機)への入力値がその分上昇しますので、上り信号のサチュレーションが発生し、かえってパケットロスや通信品質が低下する恐れが出てきます。
本来は、伝送路〜光送受信機〜CMTSまでの、全体のRF配線の中で調整した結果としてCMTSの上りチャネルへ到達した信号レベルを、CMTSに設定するのが正しい姿です。
つまるところ、H/E内配線の結果としてCMTS側でのレベル設定があるものですので、そのためには以下の内容を順番に確認しなければなりません。
1. 確保したいSNR値をいくつにするかを決める。
CATV局にて、モデムの上りSNR値をいくつで運用したいと考えているのかを、まずは決めていただかなければなりません。
これは伝送路の状態や設備の経過年数によっても変わってきますが、HFC化が済んでいる伝送路では、一般的には27dB〜30dB以上を目安とされている例が多いようです。
まずは、運用におけるSNR値はいくつであるべきなのかを確認するか、自分で決めましょう。
2. 光送受信器の設定レベルを確認する。
次に、伝送路とH/E内との境界線上にあるE/O・O/Eレベル設定を確認します。
一般的には50dB〜60dBmVとなっているようですが、メーカーによって差があるかと思いますので、仕様書や納入時の設定値を見て値確する必要があります。
3. 光送受信器からCMTSの上りコネクタまでの配線のレベル減衰量を確認する。
次に、光送受信器からCMTSまでの配線図を確認します。
この配線図には、途中に使われている分配器や分岐器の位置、及び同軸ケーブルの長さなどが記載されている必要がありますので、もしそう言った情報が記入されていない場合には、同軸ケーブルを順繰りに辿って、確認しなければなりません。
それらの情報が揃ったら、机上で減衰量を割り出します。
分配器や分岐器での減衰量はメーカーや使用する周波数によって若干異なりますが、大まかには以下の通りです。
2分波器:-4dB
4分配器:-8dB
6分配器:-12dB
8分配器:-13dB
1分岐器:-2dB
2分岐器:-3dB
4分岐器:-5dB
4. Signal Generator(SG)を使って実際のレベルを確認する。
上記の値はあくまでも机上の計算となりますので、きちんと図面通りに配線されているのかを確認するため、各ノードごとにSGを使って上り信号を立ててその信号がCMTSの上りコネクタ直前までで、実際にどれくらい信号が減衰しているのかを確認します。
途中にテストポートがあれば、そこにスペクトラムアナライザを入れて、SGからの信号レベルを確認しますが、もしテストポートがなければ、いったん同軸ケーブルをCMTSの上りコネクタから抜いて確認しなければなりません。
したがって、ノードの株分け時や新規ノード設置時の配線時にしっかり信号レベルを計測しておくことをお勧めします。
ここまでの作業で、CMTSの上りコネクタに到達する信号レベルが割り出されますので、その数値をCMTSに設定します。
5. モデムの上り出力レベルを確認する。
上記までの作業が完了し、CMTSの上りレベルが設定された状態において、伝送路上のモデムの上り出力レベルとSNR値を確認します。この数値はCMTS上では確認できませんので、各モデムのWeb GUIやMRTG等によるデータで確認する必要があります。
なお、モデムが出力できるレベルは、上りの変調方式によって異なりますので、その範囲内に収まっており、かつ、SNR値が一番最初に決めた運用方針と同じぐらいか、それよりも良い状態になっていれば、CMTSの設定値が正しいこととなり、そのまま運用に入ります。
各変調方式ごとの上り出力レベル範囲はこちら(http://d.hatena.ne.jp/akrsakai/20060809)。
DOCSIS3.1概要
さて、今年のSCTEで発表されたDOCSIS3.1規格について、あちこちで話題になりつつあるようですので、備忘録として概要を載せておきます。
DOCSIS3.1機能概要
2012年12月15日現在で、DOCSIS3.1としての規格化が提唱されている機能のうち、大きなものは以下の3つです。
1. OFDM/OFDMAと4096QAM
1波あたり12.5KHzの波を複数波立てて、上り下りの1波あたりの変調方式を最大4096QAM(12bits/Symbol)まで拡張しようというのが最大の特徴です。
6MHzあたり480のOFDM波ということなので、6MHz換算では約60Mbpsぐらいのスループットになる見込みです。
で、最終的には最大スループット約10Gbpsを目指すとのこと。
しかし、高い周波数帯では信号レベルが落ちてSNRを確保できなくなる可能性が高いので、低い周波数では高い変調方式を用い、周波数が高くなるに従って変調方式を落としていくという運用方法になるのではないでしょうか。
上りについても下りと同じ1波あたり12.5KHzの帯域幅で、最終的には2.5Gbpsまで可能にしたいとのことですが、使用する帯域が5〜400MHzとなっているので、かなり限られた使い方になるような気が・・・。
なお、5〜55で6チャネル分立てることができれば、250Mbpsの上りスループットになります。
2. DOCSIS3.0/2.0との下位互換性
発表された資料では、DOCSIS1.1/1.0については触れられていませんでしたが、DOCSIS3.0がBackward Compatibilityを持っており、DOCSIS3.1も同じ形式になる模様です。
3. 上り帯域の拡張
DOCSIS3.1では上りの使用帯域を5〜400MHzまで拡張するとのこと。
日本では実現可能性は低いのですが、棟内で完結した環境であれば、アリかも知れません。
スケジュール
現在のところ、まだ正式な規格化は終わっていないようで、各メーカーともDOCSIS3.1機能の実装は2014年〜2015年頃を見込んでいるようです。
いずれにせよOFDMをサポートしているチップがなければCMTSもCMも作れないので、チップベンダーの開発待ちというとことでしょうか。
北米MSOとしては、新しい通信方式を採用することでBroadcom/Intelで寡占状態となっている状態を打破したいという思いもあるようですが、はてさて。