WiMAX on 3G(IMT-2000)

みなさま、お久しぶりでございます。
このところDOCSISの話題から遠ざかっておりますが、今回もDOCSIS/PacketCableとはほとんど関係のない話題で恐縮です。
先日20日(日本時間)、ITU(国際電気通信連合)より、Mobile WiMAX IEEE802.16e-2005をIMT-2000の一部として規格化するという勧告がなされました。これで、Mobile WiMAXも3Gの一部となることが決まり、日本での免許取得争いも本格的に熱が入りそうです。
ということで、備忘録がてらにWiMAXについてのおさらいを載せておきます。といっても、Wikipediaにもっと詳しい内容が載っていますので、そちらを参照していただいた方がいいかも。( http://ja.wikipedia.org/wiki/WiMAX

WiMAX
IEEE802.16a/REVd(802.16-2004)として、固定ワイアレス通信用として仕様化。
もともとは2001年に規格化されたのですが、仕様周波数帯が10〜60GHzと、高い周波数を念頭においていたため、見通しが悪い地域では基地局を増やさなければならないということと、世界各地の周波数資源の有効活用を目指し、周波数帯を2〜11GHzに変更した規格が、2004年にまとめられました。
ただし、固定通信を想定していたため、移動しながらの通信やハンドオーバーが考慮されませんでした。

【Mobile WiMAX
上記の問題点を解消すべく規格化されたのが、802.16e-2005としてまとまった、Mobile WiMAX。120Km/hで移動していても通信が途切れないという利便性に加え、802.16hでは動的周波数選択(Dynamic Frequency Selection:DFS)が可能になりました。ただしハンドオーバーについては規格が見送られ、各ベンダーによって独自に実装されているというのが現状のようです。

【Cable Labsとの関係】
現在、Cable Labsでは無線関連の規格化を行っていないので、WiMAXに限らず802.11xについても、実装についてはベンダーに一任するというスタンスをとっています。
WiMAX ForumとCable Labsとの人材交流もないので、しばらくはWiMAX関連製品がDOCSISベンダーから出てくる事はないかも知れませんね。
ただ、WiMAX(802.16-2004の方ですが)の実証実験を行っているCATV局さんは結構いらっしゃいまして、嶺南ケーブルネットワークさんや福井ケーブルテレビさんなどが有名ですね。

【今後の動き】
WiMAX/Mobile WiMAXは、802.11xなどと同様にIPネットワークとの親和性が高いので、移動体通信事業者がWiMAXの免許を取得できればFMCへの動きが本格的に進むのではないかと思います。
けど、北米ではなぜかFMCへの動きが遅いんですよね。。。大手MSOさんもFMCの事業化は先延ばしにすることを決定してしまいましたし。