FMC on Packet Cable

まったく一般的ではない情報ですみません。。。
先週Cable Labsより、Packet Cableの一部としてFMC(Fixed Mobile Convergence)の仕様を規格化しとの発表がありました。
これまで、FMCという言葉だけが一人歩きしていましたが、北米の大手MSOFMCの規格化、採用に乗り出した事で、これから大きなマーケットになることが期待されています。
ということで、あまり必要ではないかもしれませんが、以下要点のみ。
仕様書入手先 : http://www.packetcable.com/downloads/specs/PKT-SP-CI-I01-070628.pdf


1. 規格化の目的
802.11xを搭載したデュアル携帯端末を、Packet Cableと携帯電話網の両方でシームレスに使えるようにする事。
3GPP3GPP2の携帯電話網を使えるようにする事。
現在のPacket Cableネットワークを、無線通信網や携帯電話網などでも利用できるようにする事。
これまで曖昧だった、認証とセキュリティと実際の機能の区別を、ネットワークごとに明確化する事。
どのアクセス回線に繋がっていても、1つの電話番号で発着信できるようにする事。
できる限り、既存の標準化されたシステムを利用する事。


2. プロトコル関連
携帯電話網の規格は3GPP3GPP23GPPとしてはGSM(2Gですが)とUMTSをサポート予定。
呼制御はSIPのみ。
その他は既存のCall AgentやDOCSIS CMTSなどを利用。
WiFi部は規格化されていないので、802.11a/b/g/nどれでも利用OK。


3. HLR(Home Location Register)サーバ
電話番号と端末を紐付けるための機能を担当。
これのおかげで、1つの電話番号を複数の電話端末で使用したり、1つの電話端末で複数の電話番号を使用したりできるようになります。
すでにHLRを運用している場合には、オプションとしてそれらとのインターフェイスも用意する事を想定。


4. VCC AS(Voice Call Continuity Application Server)
携帯電話網とPacket Cable網とを繋ぐ、Gatewayの機能を担当。
VCCサーバとHLRサーバの両方が生きてないと、シームレスに移行できないような気が・・・。


5. PacketCable Dual-Mode Wireless Device
WiFi+SIP3GPP/3GPP2をサポートするデュアル携帯端末が必要との事。うーん、そういう端末を作るメーカーさんっているのでしょうか。。。
あ、そういえばDocomoのN902iLって、SIPでしたっけ。。。


6. PoC AS(Push to Talk over Cellular Application Server)
FOMAで言うところのプッシュトークというやつです。


なお、現時点での規格対象外の機能は以下の通り。。。

1. 緊急呼のシームレス移動。
携帯電話網で110、119、118(アメリカでは911とかですが)と通話中に、固定電話に移ったりできない模様です。いや、というよりも、切れずに移行することを保証できないという事なのかもしれません。。。


2. 各アプリケーションサーバへのクライアントの登録方法
この辺はベンダー依存という事ですか。


3. Digit Mapの取り込み
どれかの端末で受け取ったDigit Mapを、通話と同じようにそのまま移行する事はできないので、どちらの電話端末にもそれぞれ個別にDigit Mapを渡さなければなりません。
ただし、携帯端末と固定端末では通話エリアが異なる事も想定されますので、必ずしも同一のDigit Mapでなければならない、という事はありません。


4. パケット交換方式や公衆無線網、WiMAXからのシームレス移行
回線交換方式の通話って、最近の携帯電話でもまだあるんでしたっけ?


5. eMTAか〜eMTA間のローミング
eMTAー携帯電話ーWiFiはOKですが、eMTA-eMTAという、固定端末同士の移行はできません。
というか、すでにPacket Cable 1.xで実現済みですね。


6. Packet Cable網と携帯電話網での、N-Way Callのシームレス移行
3者間通話などは、そのままシームレス移行できない模様です。
Call Waitingだとどうなんでしょうね。


以上です。
インターフェイス間のプロトコルなどについては、仕様書に書かれています(あんまり詳しくは載ってませんが)。