DOCSIS3.0仕様書がリリース!

8月4日付けでDOCSIS3.0の仕様書第一版がリリースされました。

DOCSIS3.0 PHY
http://www.cablemodem.com/downloads/specs/CM-SP-PHYv3.0-I01-060804.pdf

DOCSIS3.0 MULPI
http://www.cablemodem.com/downloads/specs/CM-SP-MULPIv3.0-I01-060804.pdf

DOCSIS3.0 SEC
http://www.cablemodem.com/downloads/specs/CM-SP-SECv3.0-I01-060804.pdf

OSSIは9月にリリースされる予定で、こちらにはIPv6などの規定が盛り込まれる予定です。
以下、PHYから要点を抜き出してみました。

1. 上り周波数帯域
今回より2種類の帯域が規定されました。
5〜42MHz
5〜85MHz

Euro DOCSISではこれまで同様5〜65MHzの周波数帯域となっていますので、〜85MHzは北米仕様のようです。(上りAmpを全部交換するつもりなんでしょうか?)


2. チャンネル仕様の細分化
今回より、チャンネル仕様はMULPIとして別文書で規定されるようになりました。この文書では主にMACレイヤーのコントロールが記述されています。


3. チャンネル幅の変更
TDMAでは200KHz〜3.2MHzまでが規定されていましたが、DOCSIS3.0からは1.6MHz〜6.4MHzのみが規定されています。
ただし互換性を確保する必要性から、200KHz〜3.2NHzのサポートもOptionalとして規定されてます。ひょっとすると、ベンダーによっては1.6MHz以下はサポートしないというところも出てくるかもしれませんね。


4. 上り受信レベルの変更
結構大きな変更です。

DOCSIS2.0 RFI 第11版
200KHz : -16〜+14dBmV
400KHz : -13〜+17dBmV
800KHz : -10〜+20dBmV
1.6MHz : -7〜+23dBmV
3.2MHz : -4〜+26dBmV
6.4MHz : -1〜+29dBmV

DOCSIS3.0 PHY 第1版
200KHz : -13〜+17dBmV(MAY Supported)
400KHz : -13〜+17dBmV(MAY Supported)
800KHz : -13〜+17dBmV(MAY Supported)
1.6MHz : -13〜+17dBmV(MUST Supported)
3.2MHz : -10〜+20dBmV(MUST Supported)
6.4MHz : -7〜+23dBmV(MUST Supported)


5. CMからの上り出力レベル変更
これまでとは違い、帯域幅によって最低出力が異なり、また、何波をボンディングするかによっても異なった値になっています。

DOCSIS2.0 RFI 第11版
TDMA 32/64QAM : +8〜+54dBmV
TDMA 8/16QAM : +8〜+55dBmV
TDMA QPSK : +8〜+58dBmV
S-CDMA All : +8〜+53dBmV

DOCSIS3.0 PHY 第1版
上り1波のみもしくはBonding Disableの場合
TDMA 32/64QAM : Pmin 〜+57dBmV
TDMA 8/16QAM : Pmin 〜+58dBmV
TDMA QPSK : Pmin 〜+61dBmV
S-CDMA All : Pmin 〜+56dBmV

2波Bondingの場合
TDMA 32/64QAM : Pmin 〜+54dBmV
TDMA 8/16QAM : Pmin 〜+55dBmV
TDMA QPSK : Pmin 〜+58dBmV
S-CDMA All : Pmin 〜+53dBmV

3波もしくは4波Bondingの場合
TDMA 32/64QAM : Pmin 〜+51dBmV
TDMA 8/16QAM : Pmin 〜+52dBmV
TDMA QPSK : Pmin 〜+55dBmV
S-CDMA All : Pmin 〜+53dBmV

Pmin
200KHz〜1.6MHz = +17dBmV(May Supported)
3.2MHz = +20dBmV
6.4MHz = +23dBmV


6. 下りチャンネルボンディングの規定
今回の目玉です。
Bonding用としてあらたにDBC(Dynamic Bonding Changing)というMACパラメータが追加されました。これまでのチャンネル設定変更はDCC(Dynamic Channel Changing)を使って行われていましたが、Bondingチャンネルの追加・削除はDBCを使って、動的に行われるようになります。これによって無停波でのチャンネル追加・削除ができるようになっています。


次回はMULPIについての解説を掲載する予定です。