8 channel Bonding仕様

2010年1月15日に発行された、最新版のDOCSIS MULPI3.0 I12において、下り8ch Bonding用のStandard RCP-IDが追加されました。
これまで各社とも独自のRCP-IDや独自技術を使って8ch Bondingを行っていましたが、この新しい追加によってようやく共通のRCP-IDを持つことができるようになり、8ch Bondingでの互換性を持てるようになりました。
ではここで、あらためてそれぞれのRCP-IDのおさらいです。

Annex E "Standard Receive Channel Profile Encodings"より抜粋
DOCSIS(下り6MHz)
0x0010000002 : 2ch Bonding (108 - 870MHz)
0x0010000003 : 3ch Bonding (108 - 870MHz)
0x0010000004 : 4ch Bonding (108 - 870MHz)
0x0010000005 : 4ch Bonding (110 - 999MHz)
0x0010000008 : 8ch Bonding (108 - 1002MHz)


EuroDOCSIS(下り8MHz)
0x0010001002 : 2ch Bonding (108 - 862MHz)
0x0010001003 : 3ch Bonding (108 - 862MHz)
0x0010001004 : 4ch Bonding (108 - 862MHz)
0x0010001005 : 4ch Bonding (108 - 1002MHz)
0x0010001008 : 8ch Bonding (108 - 1002MHz)


上記の標準RCP-IDは、各社ともMULPI I12に準拠したファームウェアにて順次サポートされていく予定です。


ところで、前々回のエントリで、Motorola社DOCSIS3.0モデムが96MHzまで下り周波数幅をサポートしたという話をお伝えしましたが、独自RCP-IDは実装されたのでしょうか。。。
某社CMTSとの接続において、0x0010000005の標準RCP-IDをStatic RCP-IDとしてCMTS上に設定し、そこで80MHz幅の設定で動くようにしたという噂を耳にしましたが、標準のRCP-IDをいじって無理やり周波数幅を拡張させると、そのRCP-IDを使って96MHz幅をサポートしていないモデムが接続しようとした場合、いつまでたってもオンラインになれないという問題が生じる可能性があるので、個人的にはおすすめ出来ません。
MULPIでは上記RCP-IDを使った接続では60MHz幅までしか規定しておらず、96MHz幅のサポートは各社独自の実装となりますので、やはり、各社独自のRCP-IDを実装した方が混乱を避けることができるのではないでしょうか。

以上、次回はModulation-Profileのチューニング方法について、簡単にご説明します。